2014年01月14日 10:02
初めてCDを買ったのは中学校2年生の時だったか。
小学校高学年ぐらいから色気付き、小遣いをはたいてレコードを買ったりする子たちと比べると、音楽への目覚めは遅かった。子供にとって音楽を聴くというのは「大人への一歩」であり、ファッションへの興味もその一つだと思うが、そのいずれも僕は興味はなかった。いわゆるオタクな趣味を持っていたし、みうらじゅん氏の言う「DT力」の高い子供だったのだ。
ただ人並みに音楽でも聞かないことにはカッコがつかないという気持ちだけはあったので、父親が当時まだ新しかったCDプレーヤーをもらっきて家に据え付けたときに、「一度、レコード屋に行ってみよっか」と思ったのだ。それが中2の時。
甲西中央の平和堂の2階か3階にあったレコード屋に行ったのだが、本気では音楽に興味はないのでどのCDを買ったらいいかわからない。ドラマとかも見なかったので、いまさらタイアップの主題歌なんかも恥ずかしくて買うことができないのだ。
そんな時に目に飛び込んできたのが「さだまさし」という文字。
この人は知っている。昔、母親が「フォーク大全」的なカセット集を友人から借りてきて、それをまとめてダビングさせられた時にこの人の歌がたくさんあったのを覚えていた。しかし、さすがに僕も「フォークって、むっちゃ古臭い音楽でカッコ悪いやん。」というぐらいの認識はあったので。さだまさしのCDうを買うことに多少の躊躇はあった。
けど、結局は購入。理由は他に知っている人がいなかったから。そんなもんである。
この「夢の吹く頃」というアルバムはとても良かった。5曲目のアルバムタイトル曲「夢の吹く頃」は当時の年末時代劇「五稜郭」の主題歌になった歌でサビの泣きの上昇ラインが胸に響く。4曲目の「理・不・尽」は、20年後になぜか友人の結婚式で僕が弾き語りをする歌になった。どんな逆境にあっても負けてたまるか!という内容に受験時代のぼくも励まされた。またアルバムラスト曲の「天狼星に(シリウスに) 」は珠玉のバラード。ギター1本でここまで聞かせるのは、まっさんの面目躍如たる歌。
今でも、時々聞いているこのCDは一番付き合いの長いアルバムだが、まさか、今の自分の前髪の毛髪量がこのCDジャケットのまっさんなみになるとは、思っても見なかった。