2018年12月10日
長崎は今日も・・・③
暖かい日が続いたと思うと、急に寒くなりました。この時期は忘年会も続くので体調管理が重要ですね。もっとも年中飲み会は多いのですが・・・。
今回も長崎話は続きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(つづき)
「今年はさすがに合格しているんじゃないかな。」と少し自信をもって待っていたのに、いつもの不合格通知が届いた12月、家族にも黙って向かったのも長崎だった。無性に自分のことが恥ずかしくなり、自分のことをだれも知らない街に行きたかった。
長崎行きの飛行機の中からビールを飲み続け、ホテルに到着した時は既にベロベロだったけど、すぐに夕暮れの街に繰り出した。冬のこの街は初めてだった。やはり初めて入ったすし屋ですぐに隣の常連とおぼしきおじさんと仲良くなった。
「お兄ちゃん、観光ね?」
「いや、観光じゃないです」
「じゃ、仕事ね?」
「いや、仕事じゃないです。」
「じゃ、何しに来たと?」
僕は既に酔っていたので、税理士試験に受験していること、今年も落ちたこと、今回は自信があったのに不合格だったこと、大学院の同期でまだ受験しているやつはもう僕一人だけだということ、親の会計事務所に肩身狭く勤めていること、お客さんからは先生の息子というだけで「先生、先生」と呼ばれるけど、そのたびに「税理士ではないですから先生と呼ばれると困ります」と謝らなければならないこと、など洗いざらい喋っていた。喋りながらどんどん涙があふれた。もう何本目かわからない熱燗はずいぶん前にぬるくなっていた。
だまって、僕の一方的な話を聞いてくれていた常連さんは「もうよかけん、もう1軒つきあわんね」と2軒目の店に連れて行ってくれた。そこはずいぶん若い女の子のいる店だったのだが「わしは、こがん賑やかな店は苦手ばい。もう1軒別の店にいっとるから、ゆっくり楽しんでからそこに来てくれんね」と僕を置いてさっさと店を出て行ってしまった。(つづく)
今回も長崎話は続きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(つづき)
「今年はさすがに合格しているんじゃないかな。」と少し自信をもって待っていたのに、いつもの不合格通知が届いた12月、家族にも黙って向かったのも長崎だった。無性に自分のことが恥ずかしくなり、自分のことをだれも知らない街に行きたかった。
長崎行きの飛行機の中からビールを飲み続け、ホテルに到着した時は既にベロベロだったけど、すぐに夕暮れの街に繰り出した。冬のこの街は初めてだった。やはり初めて入ったすし屋ですぐに隣の常連とおぼしきおじさんと仲良くなった。
「お兄ちゃん、観光ね?」
「いや、観光じゃないです」
「じゃ、仕事ね?」
「いや、仕事じゃないです。」
「じゃ、何しに来たと?」
僕は既に酔っていたので、税理士試験に受験していること、今年も落ちたこと、今回は自信があったのに不合格だったこと、大学院の同期でまだ受験しているやつはもう僕一人だけだということ、親の会計事務所に肩身狭く勤めていること、お客さんからは先生の息子というだけで「先生、先生」と呼ばれるけど、そのたびに「税理士ではないですから先生と呼ばれると困ります」と謝らなければならないこと、など洗いざらい喋っていた。喋りながらどんどん涙があふれた。もう何本目かわからない熱燗はずいぶん前にぬるくなっていた。
だまって、僕の一方的な話を聞いてくれていた常連さんは「もうよかけん、もう1軒つきあわんね」と2軒目の店に連れて行ってくれた。そこはずいぶん若い女の子のいる店だったのだが「わしは、こがん賑やかな店は苦手ばい。もう1軒別の店にいっとるから、ゆっくり楽しんでからそこに来てくれんね」と僕を置いてさっさと店を出て行ってしまった。(つづく)
Posted by すずとも at 08:30│Comments(0)
│長崎は今日も・・・